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座らない女 [雑文]

通勤の風景 ”キャラが立った人々” (1)

電車通勤をしている。ある連絡駅で、ホームからホームへ走って、次の電車を並んで待つ。下車する前に、いかに電車の出口の扉の前に立つかで”勝負”が始まっており、怒鳴ったり小突いたりする人もいて、なかなかスリリングだ。毎日同じ時間の電車に乗っていると、だいだいメンバーが決まっているわけで、多少の移り変わりはあるが、誰がどこに並ぶのか、なんとなく”序列”が決まってくるものだ。

たった二駅しか座れないのに血道をあげて人を押しのけたり突き飛ばしたりする初老の男性、とか、下車する一つ前の駅でいったん電車を降りて、扉が閉まる直前に無理やり乗り込んできて、下車するのに有利なところに陣取ろうとする小太りの汗だらけの中年男性、とか、何があろうと絶対に自分のお気に入りの立ち位置を譲らない、とっちゃん坊やのような中年男性、とか、キャラが立った人たちの顔を覚え、"危険人物"には近寄らないようにしている。稀に異常に体臭が濃い人とか、強烈な口臭を撒き散らして人を遠ざける人、などが乱入してくるので、電車通勤は本当にエキサイティングだ。大声ではしゃぎまわる電車通学の小学生や、極端に汚れた服装で電車にのってくる人たちなども、安全で快適な通勤を台無しにする危険な”地雷”だ。通勤に慣れるに従って、背広やコートなどの割合上品な服を避けるようになり、今ではずいぶんカジュアルな出で立ちで通勤を楽しんでいる。お隣に”危険人物”(私は不潔系が苦手)が座った際に、無念無想になるための音楽とヘッドホンは、必須のサバイバルアイテムだ。くしゃみをしまくる人を発見した際に自己防衛するための大きめのマスクも、健康を維持するために欠かせない、、、。その他の必需品は現実逃避のための文庫本くらいかな、、、?

最近面白いことに気が付いた。朝方、かなりの頻度で見かける人々の中に、絶対に走らない女性がいるのだ。年のころ30前後。骨太の体格、背は高め。色黒。髪は長くストレートでばさばさだ。季節に関わらずブーツを愛用しているのがステキ。絶対に走らない、並ばない。従って、滅多なことでは電車の席に座れない。しかしあせらず騒がず、涼しい顔をして立ったままでおもむろにスポーツ新聞を開く。味わうようにして読む。これは格好いい。途中で席が空いても、やはり超然としていて、ちょろちょろと走ってきた中学生に席を取られてしまったりする。しかし動じない。興味をもって観察していると、この女性は結構な長距離通勤だ。それなのにほぼ絶対に座ろうとはしない。密かに”鉄の女”と命名して、時々見かけては、その不屈の?精神力を感心しながら観察させていただいている。誰だかのエッセイに、”人生は短い。しかし走って電車に乗るほど短くは無い”などと書いてあったように記憶しているのだが、やはり早朝の数十分間、電車の椅子で、睡眠したり読書したり、仕事の準備をしたりする時間が取れると大変助かる。それで個人的には、恥を忍んで”走る人”のグループに属している。

この女性を目にする度に、女性特有の潔癖さを感じる。絶対に妥協しない。厳しい。変節しない。信念がある。損得は完全に無視だ。強い。我とわが身にその火の粉が降りかからないという条件付きではあるが、こういった潔癖さには実にほれぼれとする。話はかなり飛躍するが、こういった女性特有の感受性が巷に満ちるようになれば、日本の政治も多少ましになるのではないか?正しいものは正しく、間違っているものは間違っているのだ。”ダメなものはダメ”というスローガンを昔どこかで耳にしたように思うのだが、それをやれるのは女性しかいないだろう。女性たちが政治の主役に躍り出れば、談合とか、根回しなどはすぐに死語になるだろう。口先ばかりの政策はなりを潜め、責任の所在をはっきりとさせ、切るべきものは切る、といった、”決めることのできる”政治が出来るのではないか?かつてのイギリスがサッチャーさんを必要としたように、今の日本はさらなる女性の力を必要としているように思えてならない。上記の女性を目にするたびに、なぜかそのようなことを考えてしまう。

親父の一人として、今度体力に余裕があるときに、”走る人”をやめて、悠々と電車の中で立って通勤してみようと思っている。腰に悪そうだけれどね。どんな気分になるだろうか。いや、その前に、例の女性に、なぜ走らないのか、なぜ席に座ろうとしないのか尋ねてみるのが先かもしれない。お尻に出来物があって、座ると痛いだけなのかもしれないが。

8月29日

久しぶりに”座らない女”をみた。相変わらずほれぼれとするようなたちっぷりだった。一一が楽しくなった。
タグ:電車通勤
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